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「人の縁、地域の縁を大切に」

創業者である私の祖父が、島田を商売の地と定めてから60年余。弊社がこれまで事業を続けられているのは、ひとえに地域の方々からのご支援の賜物です。温厚な土地柄にも助けられ、これまで配達に携わった多くのスタッフが、新聞購読という形でお客様とのご縁をいただいてきました。その縁を積み重ねた結果、この地で新聞販売店として発展できたことは、地域に根差した新聞販売店を作るために尽力した初代の思いが体現されたものだったと思います。

昭和、平成、令和へと時代が変わるにつれて社会の変化が早まり、地域が抱える課題もより深刻になっています。人口減、核家族化、若者の都市部への流出、独り暮らしのお年寄りの増加……。それぞれの地域が持っていた人と人をつなぐ機能、相互扶助の仕組みそのものが弱まりつつあると感じます。同時に消費者の紙離れ、活字離れが叫ばれ、地域とのご縁で仕事をしてきた私たちの業界にとっても難しい時期を迎えています。

そんな現状を踏まえ、新聞販売店が果たすべき役割は何でしょうか。
いつの時代も、新聞販売の原点はお客様との1対1のお付き合いです。そして、私たちは毎日朝と夕、同じルートで新聞を配り、長い年月をかけて作ってきた配達ネットワークという財産を持っています。この配達網を、地域の人と人をつなぐ取り組みに生かすためには何をすべきか。新聞を一つのきっかけとして地域の力になっていくことで、さらに活躍の場を広げることはできるはずです。

新しい元号が「令和」に発表された日、都内の駅前では号外を求めて人々が殺到する光景がありました。世の中の節目を迎えたとき、新聞が果たす役割は依然大きく、新聞への関心や信頼は揺らいでいないと感じます。

難しい時代だからこそ、挑戦する価値がある。
人の縁、地域の縁に思いをこらし、真摯に、前向きに取り組む仲間を待っています。

代表取締役　浅野達哉